歯周病について

   かつて、「リンゴをかじると血が出ませんか」というフレーズがテレビから流れていました。リンゴはともかく、歯茎から血が出るのは、歯周病の初期症状のひとつです。さらに重症になると、膿が出たり、歯茎が腫れることもあります。
 歯周病のメカニズムとしては以下のようなものが考えられています。歯の表面には白い細菌のカタマリ(プラークあるいは歯垢といいます)が付いてきます。これは、食べカス(食渣と言います)ではないので、食べなくても付いてきます。細菌のカタマリが付いた状態がしばらく続くと歯茎が腫れてきます。これを修飾する因子として、タバコ、糖尿病と並んで、歯肉の乾燥があります。歯肉が乾燥すると、炎症を起こしやすくなるといわれています。口を開けたままで(口唇閉鎖不全)、口で息をする(口呼吸)習慣があると、前歯の歯茎が腫れやすくなります。
 治療としては、細菌のカタマリを除去することが中心になります。除去する方法としては、患者さん自身で行う口腔清掃(歯ブラシなど)、そして、歯科医院で行う口腔清掃(歯石取りなど)があり、両者が車の両輪となって治療を進めていきます。そして、この状態を維持するために定期的に歯科医院に通ってチェック、クリーニングをしていきます。
 歯周病はギネスブックによれば世界で最も罹患者数の多い病気だそうで、日本人もよく調べれば、多くの人がかかっています。ただ、前述のとおり。治療のリクツはかなり単純です。気になる方は是非、お近くの歯科医院でご相談ください。