8020運動の目的

 すでに多くの人がご存じだと思いますが、日本歯科医師会では「8020運動」を提唱しています。そのま意味は単純明解で「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。自分の歯が20本以上あれば、多くの場合正常な噛み合わせ機能を維持しています。つまりいろいろな物がおいしく食べられるということです。また、最近の調査では次のような事が分かってきています。
・よく噛める高齢者は体カがあり、活動能カが高い。
・よく噛める高齢者は視カのよい人が多い。
・よく噛める高齢者は聴覚に問題のない人が多い。
・よく噛める高齢者は、生活や家族・友人との交流の満足度、食欲、体カなどが良好な人が多い。
 では、80歳になっても自分の歯を20本以上保つにはどうすればいいのでしょうか。歯を失う原因には主に2つあります。1つはムシ歯で、もう1つは歯周病(歯槽膿漏)です。ムシ歯で歯を失うのは40歳代、50歳代くらいまでが多く、それ以降になると歯周病によって歯を失う事が多くなります。実際に80歳で20本以上の歯を持つ高齢者を調査するど次のような結果を得ることができます。

"80歳で自分の歯を20本以上保つには"
○歯科疾患に対し、早期発見、早期治療に努める。
○かかりつけの歯科医院を持つ。
○食生活に気を配る(甘味類〈間食〉の摂取量)。
○規則正しい生活習慣を保つ(ブラッシングの励行)。
こうしてみると近年重要視されている「予防」に通じることが分かります。「8020運動」―80歳で20本の歯―と聞くと高齢者への提言のようですが、実は幼稚園児から大人まで、全年齢層に対するメッセージなのです。