歯石

 たった1日磨かないだけで歯の表面には、ねばねばした物質と細菌が付きます。これが歯の汚れのもとプラーク(歯垢)です。プラークは食べ物のかすではなく、いろいろな細菌の塊です。ある種の細菌は毒素や酵素を出し歯ぐきに炎症を起こします。これが歯周病の始まりです。歯周病が進行すると歯と歯ぐきの間にすき間ができて膿がたまります。このすき間が深くなると歯周病はどんどん進み、歯を支えている骨が溶けて、歯がぐらぐらして抜けてしまいます。
 歯石とはこのプラークが固まった(石灰化した)ものです。これには2種類あり、そのひとつを歯肉縁上歯石といい、唾液によってプラークが歯石になっもので、だ液腺の出口の近く、つまり、下の前歯の内側と上の奥歯のほお側に多く見られます。色は黄白色で、タバコやコーヒーなどの色素で着色していることもあります。もうひとつは、歯肉縁下歯石といい、炎症を起こした歯肉から出た滲出液によってプラークが石灰化したもので、黒い色をしていて、歯の根の部分に強固に付着しています。
 なぜ歯石は取る必要があるのでしょうか。一番の大きな理由は、歯石の表面はざらざらしていて、プラークがたまりやすいからです。第二の理由は、歯石にはプラークが作った毒性物質が浸透していて、歯肉に害を与えるからです。第三の理由は、歯肉が歯に接するのを物理的に妨害するからです。歯石を取った後に歯肉に軽い痛みや不快感を感じることがありまずが、通常は、数時間から数日以内に治まります。また、冷たいものなどがしみる知覚過敏症を起こすこともあります。 歯周病は再発しやすいので、治療が終了した後も少なくとも半年に一度は定期検診を受け、歯石を取ることをお勧めします