フッ素の効果〜一生自分の歯で食べるために〜

 フッ素は、塩素やヨウ素などと同じハロゲン元素の一つです。土や水、草や木などの植物、色々な動物たちはもちろんのこと、私たち人間の体にも例外なくフッ素は含まれています。フッ素は私たちの身近に存在するものなのです。そのフッ素には虫歯の予防効果があるといわれています。虫歯は酸などによる歯からミネラルを溶かしだす力(脱灰といいます)の方か、歯にミネラルを補給して結晶する力(再石灰化といいます)よりも強くなるほど発生しやすくなります。
 フッ素を歯に作用させると歯の表面から取り込まれて、脱灰された部分を再石灰化させて歯を元通りにする力を助けます。つまりフッ素は歯の表面を強くする働きがあると考えられているのです。また、フッ素による虫歯予防は乳歯や生えたばかりのやわらかい永久歯に特に効果的です。フッ素の塗布は専門家である歯科医師や衛生士が行いますが、子供の頃は次々を新しい永久歯が生えてくるので定期的に年に3〜4回塗るのが適当です。大人の知覚過敏にも効くという報告もありますし、加齢とともに唾液量が少なくなり虫歯になりやすくなるため一生フッ素を有効に利用してもらいたいものです。最近では家庭でも利用できるフッ素入りペーストやうがい薬もたくさん発売されています。
 フッ素というと安全かどうか気にする人もいますが指示された量を守り、歯科医師の指導のもとに正しく使用すれば虫歯予防に大変効果があり、世界中の学者や専門家により安全性も確認されています。
 虫歯予防にはブラッシングが最も一般的でかつ有効な方法ですがさらにフッ素を日常に取り入れて歯を強くし一生自分の歯で食べられるよう心がけてみましょう。