誤嚥性肺炎について

 みなさんは誤嚥性肺炎という病気をご存じですか?現在、肺炎による死亡者は殆どが65歳以上です。今回は@誤嚥性肺炎とはA予防するためにはという順序でお話します。

@誤嚥性肺炎とは
あわてて水を飲んで咳き込んでしまうという経験はありませんか?水や食物が間違えて空気の通り道、気道に入ってしまうことを誤嚥と言います。気道は肺へとつながっていますから誤嚥したものが肺へ入ってしまいます。でも普通は反射が起こり咳をして入ったものを外に吐き出します。一方、高齢者の場合は(1)咳をするといったような体を守る反射や細菌を抑える免疫が衰えていること(2)寝たきりや鼻チューブ、人口呼吸器の使用といった誤嚥の起こりやすい状態にあることが多いこと(3)口の中が不潔になりやすく病原性の高い細菌を飲んでしまうことなどが考えられます。このため誤嚥は高齢者の肺炎の発症に大きく関わっています。

A予防法について
誤嚥性肺炎はお年寄りや誤嚥を起こしやすい状態にある場合に起きるため何度も繰り返したり重症になったりします。予防法として以下のような取組みがあります。
1、摂食嚥下訓練 
 かむことや飲み込むことがスムーズに行なえるよう口の運動をしたり飲み込む練習をしましょう。
2、食事の工夫  
 食べる時に上体を起こしたり、ゼリー状にしたりとろみをつけたりして飲み込みやすいものに工夫してみましょう。
3、口腔ケア   
 歯科医師や歯科衛生士の指導を受け口腔ケアを行なうことで口の中の細菌を減らし、むし歯や歯周病の予防はもとより誤嚥性肺炎の予防になります。

 以上のような取組みに加え痰の量が増えていないか、痰の中に食物が混ざっていないか、食後がらがら声になっていないかなど注意深く観察し嚥下障害の有無を早期に見つけケア方法を工夫していく必要があります。高齢化の進む今、誤嚥性肺炎はお年寄りにとって生死に関わる病気として大きな問題となっています。私たちも正しい知識と対処法を身につけ対応していきたいと思います。