子どもの歯並びについて

最近は歯並びを治した方がよいかどうか、という質問を寄せられることが多くなりました。これは、歯並びや噛み合わせについての関心が高まっていることや学校健診での診査項目が増えたことも影響があると思われます。
歯並びが悪いと@虫歯や歯周病にかかりやすくなる。A食べ物がよくかめない。B口元に自信がないと性格に影響  することがある。C発音が明瞭でなくなる。D歯を折ったり、ケガをしやすいE顎関節症の原因になることがある。などの問題が出てきます。矯正治療を始める時期については、一般的に歯や骨の条件はありますが、年齢制限はないといわれています。しかし、より良い歯並びを得るためには最適な時期とタイミングがあります。それは、永久歯が生えそろう前、生えそろってから、完全に成長が止まってからに分けられます。
 永久歯が生えそろう前というのは、骨格に問題がある場合や悪い癖のある場合などで、矯正治療は歯を顎の上に綺麗に並べる治療であるため、もともと顎がずれていると治療が困難になる場合、完全な治療が望めない場合も出てきます。そのため、うけ口、出っ歯、開咬(前歯があいている)など骨の変形を起こしつつあるものは早い時期(小学校低学年頃)の治療が必要になるでしょう。
  また、指しゃぶりや舌を出す癖も骨の変形を起こす原因となるため早期の治療が必要になります。骨格に問題が無く、顎の大きさと歯の大きさのずれが原因で歯並びが悪くなっているような場合は、永久歯が生えそろってから治療を行っても差し支えないことが多いでしょう。
  完全に成長が止まってからというのは、上下の顎の大きさと位置のずれが大きすぎるため、外科処置を併用する場合です。
 短期間に負担を少なく矯正治療を終えるには、適切な時期に治療することが必要です。そのためには、早めに歯科医や矯正専門医に相談してください。