口腔のがんについて

  あまり知られてはいませんが、口の中にもがんができるのです。
日本では口腔がんはがん全体の2%に過ぎませんが、直接生命にかかわる重大な病気であることは違いありません。また、幸いにも最悪の事態は避けられた場合でも、口腔がんのために「食べる」「飲む」「呼吸する」などといった私達の「生活の質」に直接深く結びついているお口の働きが大きく妨げられ、「生活の質」が著しく低下してしまう場合があります。
口腔がんは痛みを伴わないものが多く、口内炎と区別がつかないことがあります。口内炎では通常長くても2週間程度で治りますが、持続する場合は注意が必要です。歯肉からの出血では、歯周病との区別が必要です。
また、舌や歯肉、頬の粘膜が赤くなったり、白くなる症状を呈する場合、粘膜の状態ががんを発生しやすい状態に変化した「前がん病変」である可能性があります。
かみづらい感じや頬、舌の動かしづらさを感じる、舌などにしびれや麻痺を感じるなどの変化が現われることもあります。
お口の中は鏡などを使えば自分で簡単に見ることができる場所です。口腔がんは胃がんや肺がんなどと違って、直接目で見て調べることができることから比較的早期発見が容易ながんと言えます。お口の中を日常的にチェックし、異常を発見した時はすぐに歯科医院や歯科口腔外科を受診しましょう。