歯周病

 ヒトには約700種の細菌と若干のウイルスが住み着いているそうで、そのうち口の中には約350種に及ぶ細菌が、一千億を超える数で住み着いているといわれます。そして、その中には歯周病を引き起こす細菌がひそんでいます。細菌が毒素を出し、歯を支える組織や骨を破壊、吸収したり、白血球に障害を与えます。そして、菌と歯ぐきのすき間に深い歯周ポケットというものを形成して、感染領域を拡大していくのです。
 歯周病は、特異的な細菌による感染症であると思われています。では、どういう状況で感染するのでしょうか。
 その特定は難しいのだすが、母から子に受け継がれるタテ感染と,外来性によるヨコ感染が考えられます。タテ感染は、母親が妊娠の前後歯周病をしっかりと予防しておくことで、子への感染が防げるでしょう。一方、ヨコ感染は、家族間の感染が最も考えられます。家族全員がお互いのために、歯周病予防に積極的に取り組むことが大切です。
 予防対策は、ブラッシングによって歯垢を除去し、口の中の総細菌数を減らすこと。それと原因菌を殺菌し、その増殖を長時間抑えること、たとえば、殺菌効果が持続し、なおかつ口に入れても安心なペーストやデンタルリンスの活用もそのひとつでしょう。歯ブラシのみではなく歯間ブラシなども併用しながら、徹底して歯と歯ぐきの間の歯垢を除去することがポイントです。また、進行した歯周病では歯科医院で早めに治療を受けるのが得策です。歯科医院では歯周ポケット内の殺菌洗浄など、特定の細菌に有効な処置が受けられます。これらをご家庭でのお口の健康管理「セルフケア」に対し歯科医院でのお口の管理「プロケア」と呼び、この「セルフケア」と「プロケア」が上手にがみ合えばお口を生涯健康に保つことができます