歯ぎしりは病気?

 あごを動かす筋肉が緊張し、昼でも夜でも無意識のうちに上下の歯をすり合わせたり、強くかみしめたりカチカチとかみ合わせることは習癖(くせ)の一つと考えられています。一般的に言う歯ぎしりとは、寝ている間に上下の歯をすり合わせ”ギリギリ”と独特の音を出すもので、自分ではあまり分かりませんが、他人から指摘され嫌がられます。

【歯ぎしりの原因】
現在考えられている原因としては、第一に歯の悪いかみ合わせです。一部の歯が他に比べて高かったり、でこぼこしていたりして安定した上下の歯のかみ合わせができないために無意識に歯をすり合わせるのです。第二にストレス、疲労などの精神心理的なものが考えられます。ストレスによって、あごを動かす筋肉が強く緊張して歯ぎしりが引き起こされると考えられています。

【歯ぎしりの特徴】
睡眠時間を8時間とすると、歯ぎしりをする人はその内の約40分間も歯をすり合わせたり、強くかみしめていたりしています。普通の人が一日のうちに食べ物を食べたり、唾を飲み込んだりするときの上下の歯の触れ合う時間の合計が15分間程度であることを考えると、とても長い時間、上下の歯が接触していることになります。さらにそのカは昼間よりも数倍から十数倍のカが加わっているのです。

【歯ぎしりの害】
歯ぎしりは、人から嫌がられるだけでなく、自分の体にも害を与えるこどがあります。歯ぎしりによって引き起こされる障害としては、歯の磨耗や破損、歯周組織(歯肉や骨などの歯を支える組織のこと)の破壊があります。そればかりではなく、頭痛や肩凝りなど頭部を中心とした体の上半身部分にさまざまな悪影響を及ぼすとも考えられています。
 歯ぎしり自体は病気とは言えませんが、それによって引き起こされる障害が問題です。原因がはっきりしていればそれを取り除き、悪い習癖(くせ)を長く続けないようにすることが大切です