8020運動について

 「8020運動」とは、80歳までに自分の歯を20本以上保とうという運動です。
食事をおいしく食べるために健康な歯は欠くことのできないものです。80歳で20本以上の歯があれば、ほとんどの食べ物をかみ砕くことができ、味を楽しみながら食事をすることができます。しかし、80歳で20本の歯が残っているという人は少ないのが現実です。
歯を失う主な原因としてむし歯と歯周病があげられます。特に歯周病は痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気づいた時にはすでに歯を保てない状態になっているということが少なくありません。こうしたむし歯や歯周病になるのは、20歳代から40歳代にかけての歯のお手入れ、つまり歯磨きがしっかりとできていないことが一因であると考えられます。歯を失うことがないように、若い頃から食後に毎回きちんと歯を磨くことを習慣づけることが大切です。また年に1,2回、定期的に歯科医院で専門的な歯のクリーニングを行い、歯や歯肉の状態を診てもらうことをお勧めします。
今日においてはまた、歯周病菌が単に口の中の問題であるという以外に糖尿病や心臓病、肺炎などといった全身的な疾患とも関係があることがわかってきています。このように、歯の健康が全身の健康に関わっているということからも、生まれてから亡くなるまでのすべてのライフステージで健康な歯を保つことが重要になってくると言えます。そのためにもぜひ、一人ひとりが歯磨きの大切さについて考え直し、80歳までに20本以上の歯を保てるよう「8020運動」について意識して過ごしていただきたいと思います。