フッ素を使ったむし歯予防

 現在、実用化されている「むし歯」の予防法として、@歯口清掃(むし歯原因菌に対して)Aフッ素、フィッシャーシーラントの応用(宿主の抵抗力の増強)B砂糖制限、代用糖の応用(食事要因)があげられます。
 わが国ではブラッシングと砂糖制限に関しては、かなり正確な知識が普及し、実行に移されていますが、フッ素応用の普及は遅れています。そして、むし歯予防先進国と比べ、むし歯の数は減少していません。フッ化物を上手に応用することによって、むし歯予防に大きな効果があることが世界中の国々で確実に実証されており、安全性についても保証されています。そこで、フッ素塗布について説明します。

フッ素がむし歯を予防するメカニズム
◆基本的には、歯の質を強化します。エナメル質のハイドロキシアパタイトという結晶構造を改善して、むし歯の作る有機酸に対し、抵抗力のある歯質を作ります。
◆歯の表面から溶け出したリンやカルシウムが再沈着するのを促進させます。(再石灰化)
◆細菌のもつ酵素の働きを弱め、歯垢形成や酸の産生を抑えます。

フッ化物応用の具体的な方法
◆全身応用@水道水フッ化物添加A食塩へのフッ化物添加Bフッ化物錠剤、フッ化物液剤
◆局所応用@フッ化物洗口法Aフッ化物歯面塗布法Bフッ化物配合歯磨き剤などがあります。

 実際の応用法としては地域や集団で行うこと、歯科診療所で行うこと、家庭、個人で行うことに区別できるかとお思います。
 厚生労働省が提唱した「健康日本21」でも「歯の健康」の項目で、フッ化物の応用について言及していますし、1999年度のフッ素配合歯磨き剤の市場占有率は、70パーセント(子供用は90パーセント以上)になっています。また、歯科医師会でもフッ化物応用の普及を推進しておりますので、質問、疑問などは口腔保健センター、北足立歯科医師会へご連絡ください。