誤嚥性肺炎

 誤って食物、だ液や胃内容物などを気道に入れ、それらの中にある細菌が原因で肺炎になる病気です。誤嚥が必ずしも肺炎を引き起こすとは限りません。誤嚥物と生体の抵抗カとのカ関係が問題で、同じものを誤嚥しても肺炎になる人もいれば、ならない人もいます。
 日本人の死因の第4位は肺炎ですが、その95パーセントは65歳以上の高齢者で、最大の発症原因は誤嚥といわれています。今後ますます高齢化が進み、誤嚥性肺炎の患者数が増加すると考えられます。

○予防について
@口腔内細菌を減少させるためにプラークコントロール(ブラッシング指導、歯垢・歯石の除去)を中心とする口腔ケアを実施する。
A食事の姿勢は座位を基本として、ベット上ではなく食卓で食事をするようにする。寝たきりの人は30度くらいの仰臥位をとり、食物が運ばれやすくする。
B食後、すぐに横になると 胃食道逆流現象※によって、胃液や食物が逆流し、それを誤嚥することがあるので食後2時間くらいは座っている。
C誤嚥をしやすい人には、その状態にあった嚥下しやすい食物を考える必要がある。水分が多いとサラサラしすぎて口腔に溜めておくことが難く、咽喉に流れ込んでしまい誤嚥を助長することがある。ゼリー状のものが嚥下しやすい。

※夜、寝ていて寝返りを打ったり、体を動かしたりするはずみに胃液が逆流する現象。高齢者に起こる。寝るときはできるだけ胃の中は空にしたほうが良い。食後2時間座位が必要なのはこのためである。