糖尿病と歯周病

 糖尿病の特徴として、長期間にわたって細い血管の障害を起こす、感染しやすい(傷が治りにくいなど)などがありますが、血管に変化が起きると、歯肉の組織への栄養供給や老廃物の排泄なとがうまく行かず 歯周病を起こしやすくしたり症状を悪くさせたりすると考えられています。
 直接的原因ではないにせよ、統計からも糖尿病が歯周病発症の原因の一つであると言えるようです。また、最近の研究では、歯周病を放置することで、糖尿病自体の病態を悪化させる可能性がある、という報告もあります。
 現在、糖尿病を伴った歯周病患者は比較的中年齢層に多く、また、口の中の自覚症状をあまり認めないために、適切な処置を行わずに放置していたケースが多く、歯科来院時には、かなり進行した歯周病を示す傾向が強いようです。
 その症状の特徴は、
@数ヵ所にわたる歯ぐきの腫れ
A歯と歯茎の間のすき間(歯周ポケット)が非常に 深く、膿がでる
B口の中の清掃不良による歯の表面に付いた多量 の歯垢(プラーク),歯石
C歯の根の周りの骨が溶けて無くなってしまうため、歯がグラグラ揺れる
D特有の口臭
などがありますが、その予防、治療として、早めの歯科医院への受診はもちろん、徹底したプラークコントロール(歯垢を取り除いて、きれいな口の中の環境を保つこと)が、何より基本です。
 そして、歯周病は糖尿病と関係はありますが、合併症でなく、治療・予防が可能であることを理解していただきたいと思います。